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青色発光ダイオードの話をしよう

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突然ですが、青色発光ダイオードって知っていますか?

発光ダイオードは英訳するとLight Emitting Diodeなので、その頭文字をとってLEDと呼ばれています。

404特許を巡る中村裁判、そして2014年のノーベル賞の受賞と前世紀から今世紀に亘ってニュースに取り上げられる機会が多かった発明だと思います。

でも青色発光ダイオードの何がすごいのかって言われても答えられる人は少ないのではないでしょうか。ノーベル物理学賞を受賞した業績の中で、技術的な話云々を除けば比較的わかりやすい発明だと思いますが、何のためにこのような研究をしていたのか、どのように応用がされているのかなどという話はそこまで話題になってないのかなと感じます。

日本のマスコミは、こういった素晴らしい賞の授賞理由とかよりもその研究者の人柄や考え、行動力を取り上げがちだと感じます。もちろんほとんどの記者にとっては専門外のことでしょうし、技術的な話をされてもわからないし、読者や視聴者も興味を持たないってことで人柄や行動にスポットライトが当てられがちです。

ラグビーの五郎丸選手がマスコミに良く取り上げられるのも同じ理由だからだと思います。彼のルーティンは良く取り上げられますが、彼の技術の何がすごいのかを取り上げられることは少ないのではないでしょうか。もちろん彼のルーティンのおかげで多くの方がラグビーに興味を持ったので、マスコミの報道が悪いというわけではないのでしょうが。

話がそれましたが、技術的な話を抜きにしてノーベル賞受賞者の人格や行動ばかり報道していては将来研究者になりたいという少年少女が増えると思いません。技術の話を子供でも分かりやすいように解説して初めて科学技術に興味を持つのではないでしょうか。

前置きが長くなりましたが、学部で電子情報工学を学び、大学院でも電子工学専攻に進学する予定の僕が技術的な話も多少は踏まえながら青色発光ダイオードについて解説していきたいと思います。研究自体は全然違うことをやっているのですが(笑)

なぜ青色発光ダイオードがこれほど取り上げられるの?

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僕たちは日常的に照明を使っていますよね。今や照明なしで生活はできないほどです。

ろうそくの炎→ガス灯→白熱灯→蛍光灯→発光ダイオード(LED)

と照明用の光源は発展を遂げてきました。重要なのは白色の光源であることです。橙色の光源もありますが、橙色の光源は夕日の色ということでリラックスできるという理由があるらしいです。で、白色光というのは理論的にはすべての可視光の波長を均一に含んだ光であり、物体に白色光が当たった時に特定の波長の光を吸収するので、人間の目には吸収されずに反射した光が物体の色として見えるわけです。これが単色光だとそうはいきません、物体の色の判別がつかなくなってしまいます。青いライトを当てるとご飯も青く見えますよね。だから白色に近い光源が必要とされているのです。

そしてこの照明用の光源は効率がよくよりエコで便利なものへ進化を遂げてきました。

赤色発光ダイオードは1980年ごろには実用化されていましたが、青色発光ダイオードの開発は20世紀中には不可能と言われていたんです。また赤色発光ダイオードの次に黄緑色が開発され純緑色ではないものの、青色発光ダイオードが発明されれば(色の三原色RGB:R=Red,G=Green,B=Blue)が実現されるので白色の発光ダイオードが作ることができるとされており、青色発光ダイオードがいかに重要だったかわかると思います。

ここらへんを知っている人は多いのですが、あまり知られていないこととして

青色発光ダイオードだけあれば疑似的な白色ダイオードが作れるんです!!!

青色と補色の関係にある黄色の蛍光体青色発光ダイオードを組み合わせることによって、白色に見える発光ダイオードLEDを作ることが可能です。これってすごくないですか?赤色発光ダイオードと黄緑色の発光ダイオードができたからあと青色発光ダイオードを作れば白色光ができるって考えられていたのに、青色発光ダイオードだけで白色が作れてしまう。赤色必要じゃないじゃんってなりますよね(笑)ちなみに余談ですが赤色LEDの実用化にも日本人が絡んでいますよ。

手元に白色のLEDがあったら見てみてください、普段使っている分にはあまり気にしないですが、蛍光灯に比べて若干ギラギラしているというか、眩しすぎるというか、若干青みがかった色になっていませんか?特に粗品とかでもらったりする安物のLEDはその傾向が強いと思います。青色発光ダイオードが使われているからなんですね。

よくマスコミで光の3原色とか取り上げられていましたが、現在も多くの白色LEDはこの黄色の蛍光体を組み合わせる方式で、世界初の白色LEDもこの方式です。なんで青色だけこんなに取り上げられるのかって疑問だったかもしれませんが、こういう理由があったんです。ちなみに純緑色のLEDは青色LED発明の後に発明され青色LEDの技術を使ってできています。やっぱりすごいですね青色は。

青色発光ダイオードってどうやって作るの?


ざっくりと言うと、サファイヤなどの基盤の上に結晶を成長させてそれを小さく切り取ってそれに微小電流を流すと発光するということになります。言うのは簡単かもしれませんがこれがかなり難しく、結晶を作ることは赤崎勇、天野浩両氏によってできていたのですが、基板上に結晶を成長させることが難しく、それができるようになったのが中村修二氏が発明したツーフローMOCVD装置ということになります。でもこういう話はよくマスコミでも取り上げられていますよね。

今後期待される光源は?

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LEDはエレクトロルミネセンス(EL)効果というものを利用していて、これ以上の光源はもう出てこないと思います。ただし現状のLEDでは眩しすぎたり、青白かったりとさまざまな問題があり、研究開発はどんどん進んでいくと思われます。中でも面白いなと思うのは有機EL(Organic Light Emitting Diode:OLED)ですね。普通のLEDは小さく切りとった粒が発光するので広範囲にわたって明るくできないのですが、有機ELは発光面を作ることができ、LEDよりも穏やかでより白っぽい白色(日本語が変ですが)を作ることが可能です。有機物が光るっていうのも興味深いです。現状韓国の方が進んでいると言われているのですが、こういった先進的な研究には国もどんどん補助金を出していくべきだと思います。どんどん実用化していくといいですね。