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電機業界の巨人ゼネラルエレクトリックGEと日本企業の違いとは

 

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米GE(ゼネラルエレクトリック)社が家電事業を中国のハイアールに売却することが決定した模様です。売却額は40億ドル(約4,700億円)以上となる見通しのようです。

 

本当は欧州エレクトロラックスに売却する予定だったそうですが、米司法省から「待った」がかかったようで、実現しなかったようです。なんでも「米国の消費者の不利益になる」のが理由だとか。

 

こういったニュースが日本において取り上げられることは少ないと思うのですが、工学部電気系大学生の僕が勝手に独自の視点で考察をします。

 

 

そもそもGEって

 

 

ゼネラルエレクトリックはエジソンが作ったというのは多くの人が知っていると思います。そして発明王トーマスエジソンを知らない人はいないでしょう。白熱電球を発明し、J.P.モルガンに援助をしてもらい、ゼネラルエレクトリックの前身の会社を大きくしていったそうです。

 

他の有名な功績としては、「蛍光灯」の実用化やMRIの開発など様々なものがあります。

また電機だけにとどまらず、事業分野も幅広く世界最大のコングロマリットと呼ばれています。

 

 

なんでGEは家電事業を売却するのか

 

 

GEは2001年までCEOを務めたジャックウェルチが打ち出した「選択と集中」の経営方針がいまなお残っており、薄利多売型のビジネスを極端に嫌うという傾向があります。今後製造費の安い中国などのメーカーが伸びてくるでしょうし、そこで消耗戦を行っても勝てるとは限りません。それならいっそそういう分野は売ってしまって、自分たちは高付加価値の商品を作り出そうというという考えをGEは持っています。

 

 

そういう努力もあって、経常利益率は余裕で2桁を超えています。日本の電機メーカーで経常利益率が10%を超えているメーカーなどほとんどないのではないでしょうか。すくなくとも大手企業では皆無かもしれません。重電業界では米GEを独シーメンスジーメンス)が追いかけるという形となっていますが、この2社が圧倒的で正直日本勢が立ち入る隙もありません。なんてったって三菱重工業ですら経常利益率は3%程度なのですから。

 

 

今後の主力は航空、インフラそしてIoT

 

最近GEは仏アルストムのエネルギー事業を買収しました。買収が完了したのは2015年11月のことで買収額はおよそ1兆2800億円だそうです。独シーメンスも買収に乗り気でしたが、EUの独占禁止法に引っかかるかもしれないということで断念せざるをえなかった用です。三菱重工シーメンス側について買収の協力をするつもりでした。またGEはジェットエンジンも作っていて、これも稼ぎ頭となっています。もともとは発電タービンの技術を応用したものですが、ジェット時代の幕開けを予感して莫大なお金をR&Dに費やしていたそうです。

 

そして、いまのGEのキーワードは「インダストリアル・インターネット」と言ってインフラなどをビックデータによって最適化していくという試みを行っています。部品をいつ交換すればいいのか、いつどのようなトラブルが起こるのかといったことを機械が予想できるようになり、それに対応することにより事業の効率化が図れるのです。いわゆるいま話題のIoTの応用例のひとつですね。

 

これに対し、ドイツは政府と民間企業が一体になって「インダストリー4.0」という政策を打ち出しています。これの目玉は何といっても考える工場「スマートファクトリー」です。これは簡単に言えば工場の人工知能自らがビックデータを駆使して、いま何を作ればいいのかを考えだし、常に利益が最大化されるものを作っていくというものです。

 

こう考えると、トヨタの「カイゼン」などは遠い昔の話のように感じてしまいますね。もっともトヨタもいまはもっと先進的な技術を駆使して自動車を作っているのだと思いますが。

 

 

日本企業はどうすればいいのか

 

 

GEは金融部門でもだいぶ儲けていたのですが、金融事業からは事実上撤退することを決めました。やはり不安定な部門ではなく、確実に稼げる部門で利益を上げていくという考えなのでしょうか。日本企業でも金融で儲けているメーカーがあります。ソニーです。今はそれでいいのかもしれませんが、いずれ金融事業が傾くかもしれません。その時になってから次の事業を探したり、選択と集中を考えたりしていてはでは遅いのではないのでしょうか。もちろん表に出てこないだけで、革新的な事業を生み出している可能性もあります。こればっかりはわからないので、考察することもできないのですが。

 

また、独シーメンスは日本の富士通に、米IBMLenovoにパソコン事業を売っています。先進国は価格競争に勝てないだろうと予想したからです。しかし日本は価格競争に真っ向から勝負を挑み発展途上国と消耗戦を繰り広げている感じがしてなりません。また、日本企業は主力部門が赤字になった場合でも、それが創業時からの事業だったりしたときは「聖域」とかなんとか呼んで売却などをしない場合が多くあるのではないでしょうか。そのせいで会社自体が傾いてしまうことも少なくありません。

 

こういった状況を打開するにはやはり高付加価値の商品を作っていくしかないと思います。でも簡単にイノベーションを起こせるわけではないですので、地道にR&Dに投資していくべきです。日本企業も航空産業やインフラにも最近注力するようになってきましたが、航空産業や電力関係は規制などが日本は特に多くその影響で成長が阻害されてきたのでしょう。今後はそういった制約を十分に議論したうえでできる限り取り除いていくことが重要なのかもしれません。